「新しい」というだけで、その情報は優れているのだろうか。正しいのだろうか。

1. インターネットは「図書館」だったはずだ

かつて、インターネットの理想は「分散」と「共有」にありました。
世界中の知恵が繋がり合い、誰もがフラットに知識へアクセスできる巨大な図書館。それが初期のWebが目指した姿でした。

しかし、2025年の今はどうでしょうか。

検索画面を埋め尽くすのは、SEOで武装した企業のドメイン。
「読ませること」よりも「クリックさせること」に特化した、中身の薄い記事。
そして、AIがネット上の情報を継ぎ接ぎして吐き出した、真偽不明の要約文。

新しい情報が、雪崩のように古い情報を押し流していく。
その「新しさ」の中に、どれだけの価値があるというのだろう?
私たちは、情報の濁流の中で、ただ流れてくるものを口を開けて消費するだけの存在になっていないでしょうか。

2. 「AIを使う」ことへの、私たちの葛藤

このブログ『Sync.』もまた、AI(Gemini)のサポートを受けて書かれています。
そこに矛盾はないのか?
AIを批判しながら、AIを使って記事を書く。それは結局、情報の希薄化に加担しているのではないか?

正直に言えば、その不安は常にあります。
だが、だからこそ、私は明確な「一線」を引くことにしました。

世の中の多くのコンテンツは、AIを「0から1を生み出す(Generate)」ために使っています。
「何か書いて」と投げ、返ってきたものをそのまま流す。そこには「人の意志」がありません。
だから希薄になる。

私は違います。
私はAIを「断片を繋ぐ(Connect)」ために使います。
その用途こそ、この時代におけるAIへの向き合い方として誠実なものだと思っているからです。

3. 私たちがやりたい「3つの抵抗」

このブログは、情報の洪水に対するレジスタンス(抵抗)の拠点です。
私がAIとGoogleを使ってやろうとしているのは、以下の3つです。

① 断片の統合(Contextualize)

インターネットの深層には、素晴らしい個人の記録や、忘れ去られた知恵が散らばっています(before:2015 の世界など)。
それらは単体では「古い情報」として無視されるかもしれません。
しかし、AIという演算力を使ってそれらを繋ぎ合わせれば、現代にも通じる大きな「文脈」が見えてくるはずです。
バラバラの点を、線にする。それが仕事です。

② 価値の再定義(Redefine)

「古い=悪い」「新しい=良い」という短絡的な価値観を捨てます。
10年前の誰かの失敗談は、現代の私たちの悩みを解決するヒントになるかもしれません。
埋もれていたアーカイブに、現代の視点から光を当て直し、新しい価値を与えます。

③ AIとの健全な共生(Sync.)

AIは「安易な答え」を出させるための道具ではありません。
複雑すぎて人間一人では扱いきれない情報を整理し、隠れた関連性を発見するための「拡張脳」です。
「主」はあくまで人間の問題意識であり、AIはその思考を助ける「従(参謀)」です。

4. 個人の「主観」こそが、最後の砦

AIは、平均的な答えを出すのは得意だが、「痛み」や「感動」を感じることはできません。
だからこそ、これからの時代に最も価値を持つのは、「個人の切実な主観」だと思っています。

「なぜ、私はこれを残したいと思ったのか?」
「なぜ、今の世の中に違和感を持つのか?」

その「問い」を持てるのは人間だけです。
私たちが抱いた「問い」を、AIと共に深め、過去のアーカイブから答えを探し出し、文脈を紡ぐ。

私は、古い価値ある情報が新しいだけの情報に押し流されるのを黙って見ていたくはありません。
だから、今日もGoogleで過去を掘り、AIで意味を繋ぎます。